秋冬は空気の乾燥に加え、夏の間に受けた紫外線ダメージによる肌トラブルが起こりやすい季節です。気温が下がると同時に、体がかゆくなったり、肌に刺激を感じたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、乾燥する秋冬におすすめしたい服の素材と、うるおいケアをご紹介します。
秋冬は湿度が低く、暖房の使用で室内も乾燥しています。肌の水分が奪われやすくなっているのに加え、夏の間に受けた肌ダメージによって、肌のバリア機能が低下しやすい季節です。
夏の間、強い紫外線にさらされた肌は、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンが破壊されてしまいます。コラーゲンやエラスチンは、真皮で肌のハリや弾力を支える重要な成分であり、この構造がしっかりしていることで皮膚のバリア機能は保たれます。そのため、強い紫外線によってバリア機能が低下すると、外部の刺激に肌が弱くなってしまいます。そして、乾燥しがちな秋冬を迎える頃、ヒリヒリ感やかゆみを感じやすくなってしまうのです。
また、秋冬に重宝するウールや化学繊維といった素材は、保温性が高い反面、繊維が硬くチクチク感や摩擦による刺激が出やすいため注意が必要です。秋冬の乾燥にこういった摩擦が重なると、かゆみ・赤み・粉吹きなど、肌トラブルが悪化する可能性もあります。
肌が刺激に弱くなっているようであれば、化学繊維ではなく天然素材がおすすめです。特に、天然素材である綿(コットン)・シルク・ウールの中でもメリノウールであれば、肌触りがよく、通気性も高いため、敏感肌の方も着用しやすいでしょう。
綿(コットン)は肌への刺激が少なく、お手入れもしやすいほか、比較的安価に手にすることができます。また、メリノウールは「メリノ種という特別な羊から取れる高品質なウール」のことを指し、繊維が細くて柔らかいため、肌にやさしいウール素材です。
シルクやメリノウールは、綿(コットン)よりも、さらに肌にやさしい素材といわれていますが、高価でデリケートな素材なので、取り扱いが少し難しい点にご注意ください。
また、適切なサイズで、縫い目が平らになっているものなど、肌との摩擦が生じにくい服を選べば、肌への刺激も軽減できるでしょう。
刺激や乾燥には、肌のうるおいをキープするケアが欠かせません。夏に引き続き、紫外線ケアを徹底しましょう。紫外線による刺激を減らし、水分をたっぷり補給して、乾燥状態の改善を意識してみてください。
また、顔だけでなく、体を洗うときもゴシゴシ擦らないことが大切です。入浴後は保湿を習慣にしましょう。うるおいケアに使用する化粧水や美容液には、ヒアルロン酸やセラミド配合のアイテムがおすすめです。
さらに、良質な睡眠を心がければ、睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きにより、肌の保湿力が高まります。まずは、寝具や寝間着は、肌触りのよい素材を選んで刺激を減らしましょう。加えて、寝室の温度・湿度を適切(室温18~28℃/湿度40~60%)に保って、質の高い睡眠を確保するよう意識してみてください。