よく耳にする「口呼吸」と「鼻呼吸」ですが、体に及ぼす影響については、知らない方も多いかもしれません。そこで今回は、口呼吸と鼻呼吸の違いに加え、健康と美容に及ぼす影響も含めてご紹介します。乾燥する季節こそ、メリットの多い鼻呼吸を意識していきましょう。
口呼吸とは、その名の通り、口を開けて息を吸ったり吐いたりする方法です。口呼吸では、口腔内を空気が出入りするため、口の中が乾燥しやすくなります。これによって唾液が減ると、口腔内の雑菌を洗い流せません。口臭や虫歯の原因になるほか、歯の着色汚れが定着しやすくなるなど、さまざまなデメリットがあります。
口呼吸になる原因は、なんらかの原因で鼻がつまっている、口呼吸の癖がついている、顔・あご周りの骨格や鼻の通り(形状)などがあげられます。
口呼吸で常に口が開いた状態だと、舌の位置が下がります。すると、あご周りの筋肉が衰えやすくなり、顔のたるみや老け見えにもつながります。健康と美容のためにも、口呼吸になっていないかをチェックしてみてください。
鼻呼吸とは、鼻で息を吸ったり吐いたりする方法です。鼻呼吸であれば、口呼吸によるデメリットを回避できるほか、健康と美容にもメリットがあります。
まず健康面では、鼻から空気を取り込めば、鼻腔内で加湿されながら体内に取り込めます。すると、口や喉の乾燥を防ぎ、細菌やウイルスが体に取り込まれるのを未然に防げるのです。
また、鼻呼吸で取り込んだ空気は、鼻粘膜で産生された一酸化窒素と一緒に肺に送られるため、気道と血管を広げ、必要な酸素を体中に運ぶ助けとなります。加えて、一酸化窒素は、ウイルスを不活性化させる効果もあるため、感染対策にもなるでしょう。
そして、美容面においては先ほどあげたように、顔のたるみや老け見えを防止することができます。
口呼吸を改善し、鼻呼吸をするためには、口呼吸になる原因を改善しつつ、鼻呼吸が自然にできる状態に整えていく必要があります。なんらかの原因で鼻がつまりやすいなら、積極的に鼻づまり改善に取り組んでみてください。耳鼻科に相談するのもおすすめです。
同時に、口周りの筋肉を鍛え、姿勢の改善にも取り組んでみましょう。「あ~」「い~」「う~」「べ~」と口を動かす「あいうべ体操」は、口周りの筋肉を引き締める助けになります。また、背筋を伸ばして気道を確保し、腹筋を使って肺にしっかり空気を取り入れやすい良い姿勢を意識すると、スムーズな鼻呼吸がしやすくなるでしょう。