健康で長生きすることは、多くの方の目標です。そこで今回は、今日からできる健康寿命を延ばす方法をご紹介します。将来の健康を手に入れるためには、元気なうちから生活習慣を整えておくことが欠かせません。心身共に充実した状態に整えることができれば、無理なく健康寿命を延ばせるでしょう。
「健康寿命」とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。厚生労働省によると、令和4年度の「健康寿命」は、男性72.57年、⼥性75.45年である一方、「平均寿命」は男性81.05年、女性87.09年です。
健康寿命と平均寿命の差は約10年となっており、この10年間は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」にあたります。制限なく、日常生活を長く楽しむため、健康寿命を延ばし、より充実した人生を目指しましょう。
加齢に伴って心身の活力(筋力や認知機能)が低下した状態を「フレイル」といいます。このフレイルを防止し、健康寿命を延ばすためには、運動・食事・睡眠・人とのつながりを意識して整えていくことが重要です。
運動の面では、ロコモ(ロコモティブシンドローム:立つ、歩くといった移動機能の低下)を防ぐために、日常的に体を動かすことが重要です。たとえば、週に2、3回程度のウォーキング(少し息が上がる程度)や、関節に負荷のかかりにくい筋トレで、筋力と血流をアップできれば、運動機能の向上だけでなく、見た目の若々しさにもつながるでしょう。
食事の面では、不足しがちな食物繊維やたんぱく質を意識して摂取してみてください。糖質(ごはんやパンなど)に栄養が偏らないよう注意し、栄養バランスを定期的に見直してみましょう。
また、睡眠の面では、睡眠の質を高めることが重要です。睡眠中は、脳内の老廃物を排出するシステムが活発になります。排出される老廃物の中には、アルツハイマー型認知症の原因とされる「アミロイドβ」が含まれるため、睡眠と認知症予防には深い関係があるのです。ぜひ、睡眠は時間だけでなく、質にも意識を向けてみてください。寝る前に、テレビ・パソコン・スマートフォンなど、ブルーライトを発するものを控えるほか、午後以降はカフェインを控えめに。そして、寝ている間は、エアコンで室温・湿度を調整することも、睡眠の質向上につながります。
さらに、人とのつながりは、心の健康を促進させ、健康寿命を延ばす助けになります。新しい趣味にチャレンジしたり、人との関わりを増やしたりすれば、自然に笑顔を増やせるかもしれません。
このほか、離れて暮らす家族と連絡をとったり、会う機会を増やしたりするのもよいでしょう。年齢に関係なく、一緒に楽しめそうなイベントがないかも検討してみてください。