おいしい食べ物がたくさん出回る「秋」。「食欲の秋」という言葉を聞くと、食べ過ぎが心配になるものです。
そこで今回は、食べ過ぎずにおいしく食べられるよう、「よく噛む」ことをご提案! そのメリットを解説していきます。
しっかりよく噛んで、食欲の秋と上手に付き合っていきましょう。
子どもの頃、「よく噛んで食べなさい」と言われた経験はありませんか? よく噛んで食べることには、実にさまざまなメリットがあります。
よく噛んで食べると、ゆっくり食べることにつながり、ついつい食べ過ぎてしまうのを避けることができます。また、食べ物を細かく砕くことで消化しやすくなり、胃腸の負担も軽減。このほか、しっかり口を閉じてよく噛んで食べれば、顎や舌の筋肉が引き締まり、小顔効果も期待できるでしょう。
よく噛まずに速く食べる人は、そうでない人にくらべて、肥満度を表す体格指数であるBMI値が高い傾向にあるそうです。
私たちの体は、食事をすると血糖値が上昇し、脂肪細胞からレプチンという物質が分泌されます。その後、レプチンは血流に乗って脳の視床下部にあるレプチン受容体へ届き、満腹中枢を刺激。その結果「よく食べた」という満足感を得ることができます。
この満足感を得るためには、食事を始めてから15分~20分必要です。よく噛まずに早食いをしてしまうと、満足感が得られる前に、食べ終えてしまうことも考えられます。
加えて、よく噛めば、食欲抑制を促すホルモン(神経ヒスタミン)が分泌され、程よい量で満腹感を得ることができるでしょう。
まずは、自身がひとくちにどれくらい噛んでいるかチェックしてみましょう。現代人がひとくちに噛む回数の平均は10回~20回ですが、理想はひとくち30回と言われています。大変に感じるかもしれませんが、慣れてくると、食事をゆっくり楽しめるようになります。
よく噛むためにも、ひとくちの量を調整してみましょう。たくさん口に入れてしまうと、噛むのが大変になって、すぐに飲み込んでしまうかもしれません。また、噛み応えのある食材を選ぶ、味付けを少し薄くする、いろいろな食材を組み合わせるといった方法を用いると、よく噛む習慣が身に付きやすくなります。