寒い冬は、熱いお風呂が気持ちいいですよね。しかし、冬のお風呂には、さまざまな危険が潜んでいます。特に中高年は、体感温度の感覚が若年層より鈍くなるので注意が必要です。正しい入浴方法をおさらいして、冬を元気に過ごしましょう。
2020年消費者庁のデータによると、入浴中の死亡事故は、年間19,000人と推定されています。中でも特に注意したいのが、「ヒートショック」と「浴室内熱中症」です。
「ヒートショック」は、急激な温度変化によって起きる体の不調を指します。場合によっては、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすため、注意が必要です。特に、暖かい部屋から寒い浴室への移動や、熱いお湯に浸かった後の寒い脱衣所への移動などは要注意。血管の伸縮とともに、血圧も激しく上下するため、心臓に大きな負荷がかかります。
「浴室内熱中症」は、長い時間お湯に浸かることで、血圧が下がり続けて起きる体の不調を指します。「のぼせた」状態がさらに悪化した状態をイメージするとわかりやすいでしょう。気付かぬうちに意識を失うこともあり、浴槽で溺れたり、立ち上がろうとしたときに倒れたり、といった事故も少なくありません。
中高年が、ヒートショックや浴室内熱中症に注意しなければならない理由は「温度感覚の鈍り」です。歳を重ねると体は、「暑い」「寒い」を感じにくくなっていきます。熱すぎるお湯に体がSOSを出していても、自分では気付かない……ということもあるのです。
危険信号を感じ取れない可能性も高いので、「自分はまだ大丈夫」と思わず、入浴前後には必ず対策を講じておきましょう。