秋や冬は外気の乾燥や暖房器具の使用などで湿度が下がりがちです。みなさんは、鼻の粘膜が乾燥して起きる「ドライノーズ」をご存じですか?肌や喉の乾燥と比べると、鼻腔内の乾燥を気にしている方は少ないかもしれません。そこで今回は、ドライノーズの症状と原因、対策をご紹介します。お肌だけでなく鼻の中の潤いも意識して、快適に過ごしていきましょう。
ドライノーズは乾燥性鼻炎と言い、鼻の内側にある粘膜が乾燥することによって引き起こされます。鼻をかみたくなったり、鼻がムズムズした感覚がずっと続いたり、ピリピリするような痛みをともなうこともあり、症状が進むと炎症や鼻血、カサブタができるといった症状が見られることもあります。
鼻の粘膜には、表面に細く短い毛(線毛)がたくさん生えており、細菌やウイルスが体内に入り込むのをブロックしていますが、乾燥して粘膜が渇くと、その機能が十分に働きません。ドライノーズの症状が見られたら、アレルギー症状や感染症にも注意が必要です。
ドライノーズの原因は、主に空気の乾燥です。気温が下がり、湿度の低下しやすい冬はもちろんのこと、エアコンをはじめとする空調設備の整った場所で長時間過ごす方は、ドライノーズのリスクが高くなります。
現在の日本では、どの施設でも空調設備が機能しているため、年齢や性別に関わりなくドライノーズになる人が多いようです。
そのほか、花粉症や口呼吸、喫煙などもドライノーズの原因になります。また、ストレスや緊張によって自律神経が乱れると、交感神経が優位になり粘液の分泌量が減るため、ドライノーズを引き起こしやすいようです。
ドライノーズの症状緩和には乾燥対策が有効です。乾燥しやすい季節は加湿器などを使い、部屋の湿度を調整してみましょう。加えて、十分な水分と栄養バランスのよい食事を摂り、体全体の保湿も意識してみてください。
そのほか、市販されているドライノーズ用の保湿スプレーを使用する、喫煙者であれば喫煙量を減らすか禁煙する、1日の中でリラックスタイムを作って自律神経を整える、なども有効なドライノーズ対策となるでしょう。
また、鼻がムズムズしたときも、鼻の中を触りすぎたり、鼻をかみすぎたりしないのが賢明です。十分な粘液が作られるまで、できるだけ鼻を触らないよう気をつけてみてください。また、普段の鼻毛処理においても、強く刺激するようなものは避けるほうがよいでしょう。