夏は紫外線を警戒しますよね。その一方で、日光を浴びることも健康維持に良いといった情報もあり、日光浴をするべきか、避けるべきか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでこの記事では、紫外線が肌や体に及ぼす影響と、紫外線のメリットを活かした日光浴のやり方をご紹介します。
強い紫外線を長く浴びると、体に悪影響を及ぼすことがあります。いわゆる「日焼け」と呼ばれる紫外線による急性障害には、日光を浴びて数時間後に起こる「サンバーン」と、数日経ってから現れる「サンタン」の2つあります。
サンバーンは、ヒリヒリとした痛みを感じたり、赤くなったりする炎症のことです。炎症のピークは8時間から24時間であり、2日から3日で炎症が治まると言われています。日光に当たりすぎた際、表皮に水疱ができてしまい、その部分が潰れて皮部分がむけることもあります。
サンタンは数週間から数カ月の間に、肌が赤くなったり黒くなったりする、いわゆる日焼けした症状のことです。人によっては、口の周りなどに痛みを伴って水泡ができるウイルス感染症、いわゆる単純ヘルペスができる場合があります。
こうした症状のほかにも、紫外線はシミやシワの原因になるほか、ときには悪性の腫瘍を発生させることもあるので、長期間、日光を浴び続けないよう注意が必要です。
加えて、強い紫外線に当たると急性の「紫外線角膜炎」を引き起こしたり、眼球結膜(白目)が翼のような形で角膜(黒目)の部分に侵入する「翼状片(よくじょうへん)」を引き起こしたりする可能性も指摘されています。紫外線の強い季節は、紫外線から目を守る帽子やサングラスを活用していきましょう。
長く浴び続けると悪影響を及ぼすとされる紫外線ですが、適切に日光(紫外線)を浴びることは私たちの健康維持にとって必要です。たとえば、カルシウムの吸収に必要なビタミンDは、紫外線を浴びることによって体内で生成されます。日光浴が不足していると、骨粗しょう症や骨軟化症のリスクが高まるので、常日頃からリスクを回避できるような生活習慣を意識してみましょう。
このほか、朝日を浴びることでセロトニンが分泌され、加えて体内時計のリセット、気持ちのリフレッシュ、集中力の向上などのメリットがあるため、紫外線を浴びることは決して悪いことではありません。
夏の適切な日光浴は、15分から30分程度、週に2回から3回が目安と言われています。1日の中でも日差しが弱めの午前10時までに行いましょう。ただし、季節や地域によって紫外線の強さは異なるため、冬の寒い時期なら、日光浴の時間を10分から20分程度長めにした方が、効果を実感できるでしょう。